犬の腎臓病は、特にシニア犬に多く見られる病気です。症状が進行するまで気付きにくいため、早期発見と適切な予防が大切です。この記事では、犬の腎臓病の基礎知識から予防方法に加え、効果的な食事管理まで詳しく解説しています。ぜひ大切な愛犬の健康を守るための参考にしてください。
犬の腎臓病の基礎知識
腎臓の役割 知っておきたい「急性腎不全」と「慢性腎不全」の違い 愛犬を腎臓病から守る4つの方法 腎臓病予防の要!正しい食事管理とは 犬の腎臓病予防に|インスティンクトのローフード |
犬の腎臓病の基礎知識
腎臓病は犬の健康に深刻な影響を与える病気です。まずは、犬の腎臓病にまつわる基礎知識から整理していきましょう。
腎臓の役割
腎臓は、体内の老廃物を尿として排出するだけでなく、体の水分や塩分のバランスを整え、健康を保つために働く重要な臓器です。
具体的には、まず、水分の出入りを調整して体液のバランスを保ち、血圧を安定させる働きをしています。
さらに、体の中で赤血球を作るために必要な物質を作り出し、血液が十分な酸素を運べるよう支えるのも腎臓の役目です。また、腸からのカルシウム吸収を助け、骨を強く保つ役割も担っています。
健康な腎臓は、一日中休むことなくこれらの働きを続け、体の中を良い状態に保っています。腎臓が正常に機能することで、愛犬は毎日元気に活動し、健康でいられるのです。
犬の腎臓病とは
犬の腎臓病は、腎臓の機能が低下する病気です。腎臓は、一度損傷を受けると元の状態に戻りにくく、特別な治療法もありません。そのため、不可逆的な病気とされています。
腎臓には「余力」があるため、多くの場合機能が半分以下に低下するまで症状が現れません。これは、症状が現れたときには、すでに症状が進行している可能性が高いことを意味します。
こうした特徴から、腎臓病は「サイレントキラー(静かな殺し屋)」とも呼ばれています。
知っておきたい「急性腎不全」と「慢性腎不全」の違い
犬の腎臓病には、大きく分けて「急性腎不全」と「慢性腎不全」の2種類があります。いざというときに適切な対応をするためには、それぞれの原因や症状の違いを理解しておくことが大切です。
「急性腎不全」の原因と症状
次の表は、犬の「急性腎不全」の原因と症状についてまとめたものです。
項目 |
内容 |
原因 |
有害物質の誤飲・重度の脱水・感染症・事故による腎臓への損傷 |
症状 |
突然の食欲低下・嘔吐・元気消失・尿量の急激な減少 |
急性腎不全は、短期間で急速に進行するのが特徴です。適切な措置を取ることで回復の可能性もあるため、尿量の変化や急な体調不良などの異変が見られた場合には早めの対応が求められます。
「慢性腎不全」の原因と症状
次に、「慢性腎不全」の原因と症状をまとめました。
項目 |
内容 |
原因 |
加齢による腎機能低下・遺伝的要因・長期的な高血圧・免疫系の異常・細菌やウイルス感染・外傷・薬物中毒・心筋症やショックによる腎血流量の低下・尿路の閉塞(結晶や結石) |
症状 |
多飲多尿・食欲不振・体重減少・被毛の艶の低下・嘔吐・口内炎・胃炎・貧血 |
慢性腎不全は、徐々に進行するために初期症状がわかりにくいのが特徴です。該当する症状に注意しながら、体調の変化に気を配ることが大切です。
なお、慢性腎不全のステージごとの詳細は次のようになります。
Stage 1:初期段階。症状はほとんど見られませんが、血液検査では異常が確認されます
Stage 2:中期段階。軽度の症状が現れ始め、食事管理が必要になります
Stage 3:進行期。症状が顕著になり、積極的な治療が必要です
Stage 4:末期。さまざまな症状が現れ、集中的なケアが必要となります
愛犬を腎臓病から守る4つの方法
犬の腎臓病には、日々の生活習慣が大きく影響します。ここでは、愛犬を腎臓病から守るために、特に意識したい重要なポイントを4つ紹介します。
定期的に健康診断をおこなう
腎臓病は初期症状がほとんど現れないため、定期的な健康診断が早期発見の鍵となります。特に発症リスクの高いシニア犬の場合、半年に1回程度の健康診断がおすすめです。
健康診断では、血液検査や尿検査によって腎臓の状態をより詳しく知ることができます。仮に異常が見つかった場合でも、早期であればあるほどに進行を遅らせることができるでしょう。
新鮮な水を十分に用意する
腎臓の健康維持には、適切な水分補給が欠かせません。愛犬の生活圏には常に新鮮な水を用意し、いつでも自由に飲めるようにしましょう。
特に夏場は、犬も人間と同じく脱水に注意が必要です。水の交換は1日2回以上行い、水飲み容器は清潔に保ちましょう。暑い時期にもかかわらず水を飲みたがらない場合には、少量の水を混ぜた缶詰やウェットフードを与えるのも効果的です。
過度な運動を控える
犬の健康維持に運動は重要ですが、過度な場合は腎臓に負担をかける可能性があります。具体的には、脱水にともなう腎機能への負担増加・血圧の上昇・腎臓への血流の減少による腎機能の低下などです。
こうした事態を防ぐためにも、運動後は十分な休息を取らせ、水分補給もしっかり行いましょう。特にシニア犬の場合には、短時間の散歩を数回に分けて行うなど、無理のない運動計画を立てることが大切です。
食事の内容に注意する
腎臓病を予防・管理する上で、食事の内容の見直しは特に重要です。腎臓に負担をかける食材は避け、適切な栄養バランスをふまえた食事選びをしましょう。
与える量や回数にも注意し、肥満を防ぐことも大切です。次の見出しでは、腎臓病の予防に効果的な食事についてより詳しく解説します。
腎臓病予防の要!正しい食事管理とは
愛犬の腎臓への負担を軽減する食事とは、いったいどのような食事なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
とりすぎ注意な栄養素と含まれる食材
腎臓病の予防では、特定の栄養素の過剰摂取に注意が必要です。
たとえば「タンパク質」は、体内で分解される際に腎臓に負担をかけます。肉類やレバーなど、高タンパクな食材は控えめにしましょう。
「リン」は骨の形成に必要ですが、過剰摂取は腎臓に悪影響を与える可能性があるため、小魚や乳製品などの摂取には注意が必要です。
また、「ナトリウム」の過剰摂取は血圧上昇につながる可能性があります。加工食品や塩分の多い食材は避けましょう。
積極的にとりたい栄養素と含まれる食材
腎臓の健康維持に役立つ栄養素として、まず挙げられるのが「オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)」です。オメガ3脂肪酸は、腎臓の炎症を抑制する効果が期待できる栄養素です。サーモンやイワシなどの青魚に多く含まれるため、積極的に与えましょう。
また、食物繊維は腸内環境を整え、老廃物の排出を助ける働きがあります。野菜類から適度に摂取することで、腎臓への負担軽減が期待できます。
犬の腎臓病予防に|インスティンクトのローフード
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「ローロンジェビティ」は、腎臓の健康をサポートするオメガ3脂肪酸や食物繊維を含む、フリーズドライタイプの総合栄養食です。新鮮なビーフ(内臓、骨を含む)と野菜を、愛犬のライフステージに合わせたバランスで配合し作られています。
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愛犬の腎臓病を予防するには、何よりもまず健康的な食事が欠かせません。インスティンクトのローフードで、大切な愛犬の健康サポートを始めてみませんか。