【獣医学博士監修】猫の偏食は何が原因?健康をサポートするローフード(生食)への切り替え方も

【獣医学博士監修】猫の偏食は何が原因?健康をサポートするローフード(生食)への切り替え方も

「偏食家」のイメージを持たれがちな猫ですが、そもそも猫の偏食はどのような原因で起こるものなのでしょうか?おすすめの対処法とあわせてチェックしていきましょう。

猫の偏食にはどう対処する?

猫の偏食について考えるなら、まずは猫の状態が「食べたがらない」「食べる量が減った」「まったく食べない」のいずれにあたるのかを正しく見極めることが大切です。

猫の食べる量が通常よりも少ない場合、その症状は「食欲低下」・食事をまったく食べようとしない場合は「食欲不振」にあたります。

「食欲低下」が起きる原因としては、 感染症・歯の問題・胃腸障害・痛み・吐き気・臓器機能障害・全身疾患など、さまざまな医学的問題が考えられます。また、ストレスや不安、環境の変化に対する反応が原因になっていることもあります。

一方「食欲不振」は、ストレス・痛み・歯の問題から生じることもありますが、まれに重篤な病気・臓器不全・毒素の摂取・がんなどの深刻な原因が隠されていることもあります。食欲不振を放置してしまうと、急激な体重減少による深刻な合併症を引き起こす可能性があるため、早急な対応が必要です。

「食欲低下」や「食欲不振」は、あくまでも食行動にまつわる言葉ですが、背景になんらかの病気が潜んでいる可能性も否定できません。猫の健康のためには、単純な偏食との違いを正確に見極めることが大切です。

猫が偏食家と呼ばれるのはなぜ?

猫はしばしば「偏食家」のレッテルを貼られがちですが、これにはいくつかの原因があります。

第一の原因として挙げられるのが、食べ物の好みが子猫の時期に決まるという猫特有の傾向です。この傾向により、子猫の時期にドライキャットフードの単調な食事で育てられた猫は、成猫になってもドライフードを好むようになる可能性が高くなります。

そのため、ドライフードに慣れた成猫に、ウェットフードや市販のローフード(生食)を与えるのは簡単なことではありません。このような状況を避けるには、子猫のうちから多様な食事を与え、味覚の順応性を高めておくことが大切です。

さらに、周囲の環境に敏感で、ストレスを感じやすいという性質も、猫が偏食家といわれる大きな原因の一つです。猫の食行動は、餌場の環境に大きな影響を受けます。不用意に猫の食生活を乱さないためにも、餌場は落ち着いた環境に整えておきましょう。

また、猫は体調が悪かったり、ストレスを感じていたりすると、慣れ親しんだ食べ物に固執する傾向があります。この場合、飼い主が新しいフードを与えても拒否するかもしれません。心身ともに健康な猫は新しい食べ物を好みますが、病気やストレスを抱えた猫は新しい食べ物に拒否反応を示しがちです。

なお、猫と犬を一緒に飼っている家庭は多く、食事を共有しているケースも見られます。猫はドッグフードを喜んで食べるかもしれませんが、犬と猫とでは必要な栄養素が大きく異なります。

獣医学の世界では、ドッグフードを日常的に食べている猫は栄養不足になることが知られています。中でも懸念されているのがタウリン不足です。タウリンが欠乏すると、心不全、特に拡張型心筋症の発症につながり、深刻な事態を招く可能性があります。猫の健康と幸福のためにも、飼い主が完全でバランスのとれたキャットフードを与えることが大切です。

市販のローフード(生食)への移行方法

インスティンクトの安全で病原体を含まないローフード(生食)は、猫のライフステージに合わせてバランスの取れた配合になっています。

ポリフェノールやカロテノイドなどの天然生理活性化合物を含み、水分含有量も多く、さらに有害なAGEsを含みません。それでいて、ネコ科動物特有のニーズを満たしているため、多くの獣医師がインスティンクトのローフード(生食)を推奨しています。インスティンクトの市販のローフード(生食)は、抗炎症作用をはじめとする多くの健康上のメリットをもたらす可能性があるのです。

しかし、これほど多くのメリットがあったとしても、猫の偏食が原因でこれまでのフードからの移行が進まない可能性もあります。ローフード(生食)ならではの温度・テクスチャー・香り・味覚を猫が受け入れられないケースです。

猫のフードを新しいものへ切り替えるのは、なかなかに難しいことです。偏食も大きな原因の一つですが、中には、フードを替えたことによって便が緩くなる猫もいます。これは、以前のフードと新しいフードとの成分が大きく異なっている場合に起こるもので、腸内細菌のバランスが崩れることに原因があります。

いずれにせよ、猫のフードを切り替えるにあたっては、少しずつ与えながら徐々に移行するのがもっとも安全です。これは、毎日同じものを食べている猫の胃腸の負担を考えてのことです。

インスティンクトのローフード(生食)を少しずつ与えるためのポイント

インスティンクトの認定獣医栄養士によると、フードの切り替えをスムーズに行うコツは、自由給仕をやめて時間給仕へと移行することです。そうすることで、より効果的に猫を新しいフードに慣れさせることができます。

自由給仕の猫を時間給仕に移行させるには、まず24時間の食事を2回の6〜8時間の食事に分けることから始めます。食事の時間には、食事を連想させられるように猫を呼びます。その後、数日間かけて食事の時間を短くしていきます。4時間・2時間・1時間・そして30分で食事をとれるようになれば、インスティンクトのローフード(生食)の導入など、食事の変化にも積極的に応じてくれるようになるかもしれません。

すでに缶詰のフードを食べている猫には、常温で解凍した冷凍生肉を小さじ1杯から大さじ1杯ずつ缶詰に混ぜて与えるのが効果的です。徐々にローフード(生食)の量を増やし、食事量が急激に少なくなったり多くなったりしないよう注意しましょう。

ドライフードを好む猫の場合には、インスティンクトのフリーズドライのローフード(生食)を与えるのが効果的です。フリーズドライのローフード(生食)に、少し温めたペット用のスープなどの水分を加えると、水分補給も効率的に行えるのでおすすめです。

なお、移行期間中に猫が消化不良を起こしたり、新しいフードを嫌がったりした場合には、移行期間を延長します。

猫の偏食に配慮してローフード(生食)への移行を目指そう

偏食の猫に食事を与えることは、獣医の専門家と飼い主の共通の課題です。偏食の猫の食事をインスティンクトのローフード(生食)のような食事へと移行させる鍵は、時間をかけた段階的なアプローチにあります。

愛猫の好みをはじめ、子猫のころの食事習慣や環境の変化に対する感受性を理解することは、よりスムーズなフードの移行に役立ちます。併せて、猫の食事に変化を感じたとき、食べたがらないのか・食べる量が少ないのか・まったく食べないのかを見極めることは、深刻な病気の予防に効果的です。

これらのポイントを踏まえつつ、インスティンクトのローフード(生食)へ移行することで、愛猫の健康で幸せな生活を実現できるでしょう。

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アダム・クリストマン(獣医、経営学修士)
スーザン・ウィン(獣医、栄養学の専門家) 

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