【獣医学博士監修】猫にとって市販のローフードが良い選択肢の1つとなる理由

【獣医学博士監修】猫にとって市販のローフードが良い選択肢の1つとなる理由

獣医学の世界で良く知られていますが、あらゆる種類の動物にはそれぞれに特有の栄養要件があります。その中で、特にユニークな栄養要件を持つペットとして知られているのが猫です。

犬をはじめとする哺乳類は、基本的に雑食で、さまざまな食材から栄養をとることができます。しかしながら、猫が健康を維持するためは、肉からのみ摂取できる栄養が必要不可欠です。同じネコ科のライオンやチーターがそうであるように、猫の食事は肉がメインとなっています。

インスティンクトの安全なローフード(生食)キャットフードは、猫特有のニーズを満たすよう製造しています。必須栄養素はもちろんのこと、猫の体に特定の健康効果をもたらす生物活性化合物を豊富に含んでおり、猫の健康をしっかりサポートすることが可能です。

猫の健康に効果的な食事とは?
8つのポイント

    1. 猫は、適度な脂肪を含み、炭水化物が最小限に抑えられた肉中心の食事で十分な栄養を摂取できるよう進化してきました。猫の体には、炭水化物を消化するための酵素が不足していて、犬やヒトのように炭水化物を効率的に代謝することができません。
    2. 猫は犬やヒトに比べて多くのタンパク質を必要とします。猫は、すでに獲物の体内で合成された栄養素を狩猟を通じて摂取していたために、犬やヒトほど体内で栄養素を合成する機能が発達していません。特に、ビタミンA・アラキドン酸・アルギニン・タウリン・ナイアシンは、猫にとって必要な栄養素です。
    3. 猫の胃腸には、ヒトやその他の多くの動物と同様に、多くの免疫細胞があります。猫の胃腸に存在する腸内フローラ(腸内に存在する有益な微生物)は、免疫細胞だけでなく、栄養素や代謝物の放出にも重要な役割を担っています。腸内フローラと免疫系の相互作用は、猫の健康と寿命を支える重要な要素です。

      近年、腸内フローラと食事との関係性についての理解が急速に進む中で、食事が腸内フローラの組成と機能に与える影響の大きさが知られるようになってきました。猫のように生肉中心の食事をする生き物と、加熱処理された食事を与えられる生き物とでは、腸内フローラの組成と代謝に違いがあることが多くの研究で明らかになっています。*1

      さらに、健康に有害な影響をもたらす可能性がある腸内フローラの一部は、腸粘膜バリアを傷つけ、炎症反応を起こすリスクがあります。腸内フローラの組成の変化は、猫・犬ともに二型糖尿病の発症と関連していることが研究により示唆されています。*2

      なお、現在進められている研究は、猫の健康な腸内フローラの構築を目指して行われているものです。また、生肉中心の食事が腸内フローラに与える影響については研究途上です。公開されている文献は、猫にまつわるその他の研究とともに、いまだ限られているのも事実です。

      いずれにしても、腸内フローラをサポートし、猫の体にさまざまな悪影響を引き起こす慢性炎症を軽減してくれる健康的な食事は、猫の健康と寿命にとって欠かせないものといえるでしょう。

    4. インスティンクトのローフードペットフードは、一般的なペットフードとは違い、加熱処理による栄養素の劣化がありません。動物性・植物性食品ともに必須栄養素の含有量が多く、抗炎症成分を含む独自の生理活性化合物を多数含んでいます。

      植物由来成分には、非必須のフィト栄養素(植物に由来する自然な栄養素や化合物で、植物自身の生存・成長・保護のために生産される栄養素や、健康に有益な成分)が含まれます。一般的なフィト栄養素の例としては、食物繊維・カロテノイド・ポリフェノール・植物ステロールなどがあり、多くの健康効果が期待できます。例えば、抗酸化栄養素が豊富な食事は、犬の腎機能を改善し、SDMA(=腎臓の機能を評価するためのマーカー)やクレアチニンレベルを低減させます。*3

      また、白身魚に含まれる動物性化合物には、エース阻害活性を持つ22種類ものペプチドが含まれています。このペプチドには、降圧作用・抗菌作用・免疫調整作用・鎮痛作用*4などのうれしい働きがありますが、その多くは加熱によって破壊されてしまいます。このような背景から、インスティンクトのローフードのように、非加熱で安全かつバランスのよい市販のローフードペットフードが求められているのです。

    5. インスティンクトの冷凍ローフードペットフード(日本未発売)には、さまざまな炎症性疾患の原因となる高度糖化最終生成物(AGEs)や、高度脂質過酸化最終生成物(ALEs)と呼ばれる調理由来の糖毒素が含まれていません。これらの化合物は、加熱加工によって、アミノ酸・還元糖・脂質が変化するメイラード反応の結果として形成されるものです。

      ALEsやAGEsが腸内フローラにダメージを与え、細胞機能・脂質合成・炎症・抗酸化防御、ミトコンドリア代謝に悪影響を与えることは、ヒトでの研究からも明らかになっています。ここで注目したいことは、これらの化合物は、ほとんどの加工されたペットフードに含まれている点です。

      ALEsやAGEsのような有害な化合物は、過剰に加工された食品などを通じてペットの体に取り込まれ、蓄積されることが知られています。ある研究によると、犬と猫は、西洋式の食事を食べる人間よりも多くの有害な化合物を摂取しています。*5

    6. インスティンクトの市販のローフードは、次に挙げる二つの理由から、加熱調理されたペットフードよりも高い抗酸化力を持つ可能性があります。

      • 加熱処理は、抗酸化作用を持つ必須栄養素やフィトケミカルを破壊する
      • 機械的な処理は食物の抗酸化能力を低下させる

      肉を細かく刻むと、表面積が増加して細胞壁が破壊されます。また、ペースト状の肉をさらに細かく加工する場合、再度加熱処理が行われ、食物本来の抗酸化物質量には及ばない状態の粉末になってしまいます。

    7. 動物性タンパク質と水分を多く含み、炭水化物が控えめというインスティンクト商品の栄養バランスは、猫の代謝特性にぴったりです。生の抗酸化物質の含有量・豊富な栄養素・抗炎症作用のある化合物は、特に慢性の腸疾患やアレルギー・関節炎・肝炎・無菌性膀胱炎・肥満・糖尿病・がんなどの慢性炎症状態に苦しむ高齢猫に対して特に大きなメリットをもたらす可能性があります。
    8. インスティンクトの安全なローフードペットフードは、健康的な選択肢として一定の認定獣医栄養士たちから高く評価されています。これは、インスティンクトのローフードが、猫の代謝特性に合致する栄養素をバランス良く配合しているからです。インスティンクトの製品は、子猫・成猫・シニア猫と、猫のライフステージに合わせた栄養素と消化性を備えています。

獣医師も推奨するインスティンクトのローフード

インスティンクトの衛生的で安全な市販のローフードは、健康な猫のライフステージに合わせて配合されています。また、猫特有の食事ニーズに合致しているため、獣医師からの推奨を受けています。さらに、天然の活性化合物を含み、かつAGEsは最小限に留められています。
つまり、インスティンクトのローフードは、猫にとって多くの健康上のメリットがあるのです。

なお、持病のある猫の場合には、獣医師によるオーダーメイドの食事管理や、獣医師栄養士との連携が極めて重要です。

アダム・クリストマン(獣医、経営学修士)
スーザン・ウィン(獣医、栄養学の専門家)

*1:Kerr et al., 2012, 2014; Herstad et al., 2017; Kim et al., 2017; Sandri et al., 2017; Algya et al., 2018; Schmidt et al., 2018; Butowski et al., 2019
*2:Jergensら、2019;Kielerら、2019
*3:Tanprasertsuk, et al.2022
*4:Pangestuti, et al. 2017
*5:van Rooijen, 2014

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